
相続登記未了の罰則
相続登記は2024年から義務化され、期限内に手続きをしない場合は10万円以下の罰則(過料)の対象となります。相続登記の義務化により、不動産の名義変更は放置できません。早めの相続登記で罰則リスクを防ぎ、安心して相続手続きを進めましょう。
相続登記の義務化について
「相続登記」とは、亡くなった方が所有していた 不動産(土地・建物)の名義を相続人の名義へ変更する手続き です。これまでは任意でしたが、2024年4月1日から義務化されました。つまり、相続人は必ず手続きを行わなければなりません。
相続登記の義務化の背景
相続登記が義務化された主な目的は、以下の社会課題への対応です。
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所有者不明土地が増加している問題
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不動産の適正管理と市場の透明性向上
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空き地・空き家の増加防止
このため、相続人は 「相続した不動産を法律で必ず登記する」 ことが求められるようになりました。
義務化したのにやらないとどうなる?
義務化を遵守しなかった場合に科される罰則は 「過料(行政上の金銭的ペナルティ)」 です。相続登記を正当な理由なく期限内に行わない場合、最大10万円以下の過料が科される 可能性があります。
罰則が適用される流れ
相続登記義務を怠ると、以下のようなプロセスで過料が科されます:
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法務局の 登記官が義務違反を把握
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相続人に対して 登記を促す「催告(通知)」が発送
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催告の期限内に登記申請がない場合、登記官が裁判所へ通知
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裁判所により 過料が決定・賦課(最大10万円以下)
つまり、単に放置しているだけでは済まず、必ず実務的手続きが進行します。
「正当な理由」がある場合の例外
正当な理由があると認められると、過料を免れることもあります。具体例として、
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相続人が極めて多数で手続きが困難
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遺言の有効性について争いがある
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相続人が重病・長期療養中
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書類収集に特別な事情がある場合
など、事情を登記官に説明したうえで認められた場合に限り、過料が回避される場合もあります。
罰則(過料)とペナルティのポイント
✅ 過料を支払っただけでは義務は消えない
過料を支払っても その時点で義務が履行されたわけではありません。登記自体は別途行う必要があります。義務履行は 「登記の完了」 です。
✅ 支払わないとどうなる?
「過料」は罰金とは異なりますが、支払わない場合の実務上のリスクとして、財産の差し押さえリスク、法務局からの催告、税務的対応が強化されるケースなどが想定されます(過料は行政罰のため対応が必要です)。
過去の相続も対象になる(猶予期間)
2024年4月1日より前に発生した相続でも、相続登記をしていない不動産は義務化の対象です。その場合、「2027年3月31日までに相続登記を完了しなければ過料対象になる可能性あり」という猶予が設けられています。
相続登記義務化のリスク(罰則以外)
義務化されていない時代は、名義変更をしないまま放置されるケースが多くありましたが、その結果として、
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不動産の活用や売却ができない
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権利関係が複雑化し後の相続が困難になる
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所有者不明土地化 → 空き家・空き地が増加
などの問題が生じています。これが義務化の背景でもあります。
まとめ
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制度の開始は2024年4月1日から開始されました。
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義務内容として、相続した不動産を3年以内に登記しなければなりません。
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罰則として、10万円以下の過料(過料は行政罰)
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過料回避は、正当な理由が認められれば猶予可能になります。
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過料支払い後、登記義務は消えません。
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過去の相続についても、2027年3月までに登記義務対象になります。
相続登記は義務化された以上、遅れれば罰則の対象になるだけでなく、相続人間のトラブルや不動産の活用制限といった実務上のデメリットも発生します。不安な場合は 司法書士等の専門家に相談すること をおすすめします。